2011年4月27日水曜日

4・24民族教育シンポジウム「朝鮮学校から〈日本〉を問う」レポ

おまたせしました!
424日(日)にUSMが主催した、424民族教育シンポジウム『朝鮮学校から〈日本〉を問う』の報告です!

シンポジウムは名古屋大学野依記念学術交流館を会場に、日曜日の13時半からスタートし、約80名の参加がありました。


李春熙弁護士による講演「朝鮮学校の高校無償化除外問題が問うもの」では、高校無償化除外問題をはじめとした朝鮮学校をめぐる状況の不当性・不法性をわかりやすく解説していただきました。
その中で、朝鮮学校をめぐる差別的状況の「歴史性」と「新規性」について言及があり、その質が「官」による差別から「民」に支えられた「政」による差別へとシフトしていることから、「いかに裁判で勝ったとしても、日本のあり方の本質が変わらなければ第二第三の『無償化問題』が今後継続して起こるだろう」と、草の根運動の重要性を強調されました。


また、獨協大学非常勤講師の金泰植氏の司会によるパネルディスカッションでは、李春熙弁護士のほか愛知朝鮮高級学校の李ソンセンニム、USMからも共同代表が出演し、活発な議論を展開しました。
李ソンセンニムは朝鮮学校の歴史について報告し、ウリハッキョという存在が在日朝鮮人にとって単なる「学び舎」ではなく、人間としての尊厳を回復するもうひとつの「故郷」であると述べられました。
そしてわたし(さつき)は、主催団体であるUSMの発足の契機について報告するとともに、愛知県内の大学で実施した朝鮮学校の無償化除外問題に関する大学生アンケート調査の結果(無償化から除外されていることを知らない、またそもそも朝鮮学校の存在自体を知らない人が多数)をうけ、「こうした『無関心』、『無知』は、日本の排外主義を容認する空気を作っている大きな要因の一つ。朝鮮学校は、日本のあり方を映す〈鏡〉ではないか」と会場に問いかけました。


シンポジウムの中盤には朝鮮学校生徒によるすばらしいサムルノリ演奏が行われ、その活き活きとした力強い姿に励まされました。(ともにがんばろう!)


「市民がつくるTVF2011」でビデオ大賞を受賞した朝鮮学校の無償化除外問題をテーマにした「近くて遠い学校」(るんみ作)も鑑賞。


最後にオモニ会の会長さんやネットワーク愛知の山本先生が無償化の即時適用をアピールされました。
また、48年の朝鮮学校閉鎖令に端を発した教育闘争時、愛知の守山朝聨初級学校での弾圧と闘ったハルモニが、学校弾圧当時の自身が映った有名な写真をモチーフにした版画を背景に、ウリハッキョの大切さを強くアピールされました。(まさかご本人にお会いできると思っていなかったのでびっくり&感激&未だこのような状況であることに対する憤りetc。。。)当時を知り、ずっとハッキョのために取り組んでこられた方のお話はとても心に残りました!


そのほか、会場には韓国出身の写真家、安世鴻さんによる「ウリハッキョ写真展」を展示させていただきました。

参加者の南山大学4回生からは、「424という日にこうしたシンポジウムが開かれることは意義深い。ただ、『恒例行事』にならないように、若い世代が頑張らないといけない」と、繰り返される「424」を断ち切って新しい局面を草の根でつくっていこうと決意&呼びかけがありました。
今回のシンポジウムでUSMの活動をたくさんの方に知ってもらうことができ、これからウリハッキョの笑顔のためにいろいろな繋がりができればと思います。


シンポジウム終了後、立食懇親会にも多数参加があり、さまざまな視点からのアピールをいただきました!
学生など若い方の参加も多く、参加者同士の交流を深めることがでとても有意義な時間となりました。

さいごに。
参加者のみなさん、シンポジウムの情報などを広く伝えてくださったみなさん、ありがとうございました!
シンポジウムで投げかけられた「問い」をしっかりとうけとめ、これからのUSMの活動を通して問いを解いていきましょう!

★このシンポジウムの映像をDVDに記録しています。(送料込500円)
興味のある方はメールで usm.aichi@gmail.com にご連絡ください!

2011年4月25日月曜日

まちがい言葉とただしい言葉《ウリハッキョ★レポvol.3》

昨日は4・24民族教育シンポジウムが行われました!
参加者・出演者のみなさま本当にありがとうございます~チョンマルコマッスンミダ。
内容については長くなるのでまた改めてブログで報告しますね。



さて今週のウリハッキョレポです。
これはハッキョの靴箱がある入り口のところに(毎日必ず目にするところ)に貼られた、ウリマル(わたしたちの言葉=朝鮮語)の間違いやすいものをまとめたもの。
ウリハッキョに通うこどもたちは日本生まれの日本育ち。
意識的にウリマルを学び使っていかなくては、日本語にかこまれた生活ではなかなか「自分たちの言葉」を身につけていくのは難しい環境です。
日本語直訳の朝鮮語を使ってしまうことがたびたびあるようですが、本来の朝鮮語の豊かな表現を身につけることで、言葉から民族性をはぐくんでいこうとする様子が伝わってきます。
奪われた「ことば」を取り戻すために作られた国語講習所からスタートした朝鮮学校の「こだわり」が感じられますね。

それにしても、この「まちがい言葉」は難しい!
わたしも最近少しずつ朝鮮語を勉強していますが「何が間違っているのか?」すらわからないというお恥ずかしい状態・・・。
小学生がこれを理解しているということに純粋に驚きました。
ウリハッキョの国語教育水準はハイレベルです!

(T・S)

2011年4月24日日曜日

4・24民族教育シンポジウムのおしらせ


USM企画第2弾!


4・24民族教育シンポジウム 「朝鮮学校から<日本>を問う」
2011年4月24日(日)13:00開場 13:30開始 
名古屋大学 野依記念学術交流館
※地下鉄名城線「名古屋大学」駅2番出口徒歩5分
1部:500円 2部:1500円


【1部 シンポジウム】
●李春熙弁護士の講演「朝鮮学校の高校無償化除外問題が問うもの」
●パネルディスカッション「朝鮮学校から<日本>を考える」
  パネラー:李春熙(弁護士)
        金泰植(獨協大学非常勤講師)
        高原さつき(USM共同代表)
●写真家・安世鴻ウリハッキョ写真展
※その他、朝鮮学校生徒による公演、教員のアピールなども予定しています。
【2部 立食懇親会】




みなさん、ぜひご参加下さい!

2011年4月18日月曜日

やさしい日本史年表《ウリハッキョ★レポvol.2》

新学期がはじまりそろそろ2週間。
ウリハッキョのみんなは新しい学年になり、またすこし難しくなった勉強をがんばっているでしょうか?

さて、今週の一枚はこちら。「やさしい日本史年表」

どの学年の教室にあったものかうっかり忘れてしまいましたが4~6年生のどこかです。
朝鮮学校でも日本史を教えているということを知らない人がいる!ので、ちょっと紹介してみました。
これはおなじみの、日本史のできごとと年号を語呂あわせで覚えるアレです。
もうだいぶ色あせています・・・ずいぶん前から貼ってあったってことですね。
239年の卑弥呼がいた時代から1990年代までの記述がありました。
(写真をよーく見るとわかりますが「日本人視点」の語呂あわせです。)

朝鮮学校の社会科の教科書は「わたしたちの朝鮮」と「日本の歴史」の2部構成になっていて、朝鮮の歴史も日本の歴史もしっかりと学んでいます。
朝鮮学校出身で日本の高校・大学に進学する人たちも多く、つまり日本の学校で日本史を習う人たちと同じ試験問題に挑戦できる知識を持って受験に挑んでいるということ。
これは朝鮮学校で教えられている歴史の内容は日本の学校の内容と遜色ないという証拠。
むしろ日本の学校で教わることのない「朝鮮史」があるぶんだけボリューミーです。

お互いのことを知るには、お互いがたどってきた歴史を知るのも大切な一歩。
そういえばわたし、朝鮮史の年号の語呂あわせ、ひとつも知らないなぁ・・・。

(T・S)

2011年4月11日月曜日

わたしたちはどこから来たか?《ウリハッキョ★レポvol.1》

あにゃしみか!これから定期的に《ウリハッキョ★レポ》と題して朝鮮学校のあれこれをつづっていきたいと思います。

「ウリハッキョのことをもっと知りたい&知ってもらいたい!」
いま朝鮮学校が厳しい状況にあるその原因の多くは、在日朝鮮人と同じ社会で暮らす人びとが朝鮮学校に対してあまりにも「知らない」こと、そして「知らない」にもかかわらずいろいろなことを決めつけてしまうことにあるんじゃないかな~?と思うのです。
というわけで、USMの今後の活動の中でウリハッキョ訪問なども行いたいと思いますが、まずはウリハッキョのことをブログで少しずつ紹介していけたらと思います。
じつはわたし自身もウリハッキョを訪れたのはまだ数回。フレッシュな視点で紹介していきます!



우리는 어데서 왔을까?(わたしたちはどこから来たか?)と題された地図。
この地図はウリハッキョの図書室に掲示されていました。
注目したいのが朝鮮半島の地図に書き入れられた地名は南半分(地域的には現在の韓国)に集中していることです。
在日朝鮮人の多くは朝鮮半島南部に故郷があります。

「朝鮮学校といえば朝鮮だから「北朝鮮」の子どもたちが通っているの?」
といった疑問をよく聞きます。
しかしそもそも、朝鮮学校の子どもたちのおじいさんおばあさん、ひいおじいさんひいおばあさんの世代(最近はさらにその前の世代の場合もあるかも?)が日本にやって来たのは、朝鮮が植民地の時代でした。
解放後、朝鮮学校が朝鮮人の手で日本全国に作られ、その後、朝鮮半島が現在のように南北に分断されたのです。
つまり朝鮮学校に通うのは南北関係なく朝鮮半島にルーツを持つ子どもたち。

「朝鮮と韓国・・・???じゃあ朝鮮学校に通う子どもたちは「どっちの国の人」なん?」と聞いてしまいそうになるけど、その質問はこういった歴史に対する無知から来るものです。
朝鮮学校に通うのは「北朝鮮」が故郷の子どもたちだけではないのですね。

現在のことを知るには「現在までの歴史的な視点」を持たないと短絡的な誤解をしてしまいます。
勉強・・・苦手だけれど、いろいろな断絶に気付きつながっていくためにもウリハッキョレポを通してぼちぼちとやっていきます!

(T・S)

2011年4月7日木曜日

サポートメンバー募集!!

アンニョンハセヨ!

USMの事務局やってます、キムヨンデですm(__)m

3月27日に立ち上がったUSMでは、ウリハッキョを一緒に応援するサポートメンバーを募集しています!!
サポートメンバーの登録は、usm.aichi@gmail.comへ、①名前、②年齢、③電話番号を必ず書いてメールを送ってください。
メールを確認したら、メーリングリストのメンバーに登録します。
メーリスへの登録が完了した時点で、USMのサポートメンバーとなります。

USMは、①ブログやメーリス、学習会を通してウリハッキョのことをもっと知る、②ウリハッキョのためにボランティアをしたり、書籍を集める活動を基本としていきます。
みなさん、サポートメンバーになって、ウリハッキョのために一緒に活動しましょう!!

2011年4月4日月曜日

4つのハッキョに行ってきました

3月31日と4月1日に、先日のチャリティー金で購入したプレゼントを持って、ハッキョに行ってきました!

愛知県には、豊橋、名古屋、東春、愛知第七の4つの初級学校(小学校)と、愛知朝鮮中高級学校があります。
今回は春から小学1年生になる総勢36名に、ウリハッキョ入学おめでとうの気持ちをこめたプレゼントを準備しました。

プレゼントに貼るUSMのシールは消しゴムはんこで手作りしました。
ちいさいけれど、想いをこめたプレゼント。


最初におじゃましたのは豊橋のハッキョ。
名古屋市内から豊橋は遠かった・・・でもいい学校でした!
新1年生はひとりですが、あたたかい先生や地域の方々と一緒に楽しく学校に通ってくれるでしょう。
教室の窓に貼ってあったことば。
우리말 우리글 잘 배우자!(私たちの言葉 私たちの文字 よく学ぼう!)

次におじゃました名古屋の新1年生は4つの中ではいちばん多い27人。
でも、生徒の減少で名古屋市内にたくさんあった朝鮮学校が徐々に統合されてしまったので決して「多い」わけではないのです。
代表して1年生の担任の先生にプレゼントを。

東春の新1年生は5人。校長先生含め若い先生ばかりの活気のある学校でした。
じつは東春はサッカー選手・鄭大世の母校。
校長先生とお話して小学生時代の写真も見せていただきました。(かわいかった!)
朝鮮学校は小さいながらも、世界的に活躍する人をたくさん育てています。
そして活躍の原点に「在日同胞への想い」を持つ人が多いです。
(なぜだか知りたい人は、東春の校長先生とお話しするか、映画「ウリハッキョ」を観てください。)
熱い想いを優しい言葉でお話してくださった校長先生。すてきです。


さいごにおじゃました愛知第七の新1年生は3人です。
お昼の時間におじゃましたら瀬戸名物・肉うどんをご馳走になりました。チャルモゴッスンミダ!

愛知第七は小高い丘にある不思議な形の校舎。
緊急時にはロボットに変形してみんなを守ってくれる・・・そんな雰囲気でした。

今回じつははじめておじゃまするハッキョもあって、ちょっと緊張しましたが、入学式前で忙しい時なのに、どのハッキョでもあたたかく迎えてくださいました。
USMの活動や今回のチャリティーのこともすごく喜ばれました。
今回はUSM共同代表と事務局で訪問しましたが、これからいろんな形で学校訪問をする機会をもてたらと思います。

(T・S)