11月8日にUSMの一大行事である公開シンポジウムを行いました。
当日は40人以上の参加者がありました!
講師・パネラーとして登壇いただいた先生方、来ていただいたみなさま
本当にありがとうございました。
シンポジウムの基調講演を呉永鎬先生(東京学芸大学・一橋大学非常勤講師)にしていただきました。
講演のテーマは「守ってきたもの、つくってきたものとしての朝鮮学校史-在日朝鮮人の脱植民地化の取り組み―」
先生は朝鮮学校の歴史を見る視点として①在日朝鮮人による主体的取り組みであるということ
②闘争と創造の歴史―守り、つくらなければならない状況が常にあり続けた
という2点を示されました。
また、朝鮮学校の意味とは、植民地主義を克服し、朝鮮人としての生を取り戻す、被支配者自らの脱植民地化の取り組みにあるとのことでした。
そのうえで、テーマである「守ってきたもの」とは、闘争・運動の歴史であり、闘争・運動の理由として①反共主義、植民地主義に基づく日本政府の政策 ②教育制度の周縁に位置づくゆえの制度的制限。目的として《朝鮮人として人間形成する場の確保》をあげられました。
特に日本政府による学校閉鎖措置(1948年1~4月、1949年10月~11月)とそれに対する朝鮮学校側の対応、在日朝鮮人への義務教育が恩恵教育へと変化していく過程、朝鮮学校の法的地位問題などを具体例や資料を用いながら詳しく説明いただきました。
後半は「つくってきたもの」として、学校をつくる、教科書をつくる、学校文化をつくるの3つの視点から、子どもたちを朝鮮人として育てる教育を行う学校として組織・運営するためのあらゆるものを、在日朝鮮人の実情に合わせてつくりあげてきたことを説明されました。
そして、最後に朝鮮学校史が問いかけるものとして①非日常の日常化②祖国の存在③連帯の可能性について話していただきました。
盛りだくさんの内容を資料を示しながら、わかりやすく講演していただきました。特に後半の「つくってきたもの」に関して朝鮮学校の教科書の編纂の過程を見て、まさに「ウリハッキョ(わたしたちの学校)」なのだなと感じました。
第二部のパネルディスカッションには、引き続き、呉先生と愛知朝鮮中高級学校オモニ会会長の金ゲインさん、前愛知朝鮮中高級学校校長で現愛知朝鮮学園理事長の金伸治先生、コーディネーターとして愛知県立大学教授の山本かほり先生に登壇いただきました。「民族教育70年を考える」というテーマで行い、それぞれの立場から朝鮮学校・民族教育への思いを語っていただきました。途中で会場の在日朝鮮人学生からの声もあり、会場全体で朝鮮学校の民族教育について考える場になったのではないかと思います。
シンポジウムに関していただいたご感想などは、今後ブログで少しずづ報告できたらと思っています。
いよいよ今年もあと1か月となりましたが、今後ともよろしくお願いします^-^//
★12/27は2015年最後のUSM学習会です!USMの活動報告なども行いますので、年の瀬ですが参加いただければ幸いです。詳細はFB・ツイッターをご覧ください!
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