2015年9月15日火曜日

8月USM学習会ご報告その2

その1の続きです。


報告②

◆国際社会から見た朝鮮学校
 国連は朝鮮学校をしっかりとした教育機関として認識。
 日本政府の対応に対して何度も勧告を行っている。

◆「無償化」除外に対する学生たちの活動
 学生主体で反対運動を展開。各地での裁判ではそのほとんどが学生が原告となっている。
 朝鮮大学校の学生をはじめ、各団体の代表が国連でのロビー活動を精力的に行っている。

◆朝鮮学校に通うということ
 日本学校ではなく、朝鮮学校に通わせる理由の一つとして
 どんなに困難な状況でも朝鮮人としての民族的アイデンティティを確固たるものとし、
 朝鮮人であることに対する自己肯定感・自尊感情(誇り)を持ってほしいという思いがある
 といえる。
 植民地と同様の思いをいてほしくないという1世たちの願いでもある。
 また、よく言われるように「反日教育」を行っている場では決してない。
 朝鮮学校で学ぶ近現代史とは植民地主義とそれに抵抗する民族の歴史、解放後の分断体制と
 克服しようとする民族の歴史である。

◆朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮学校
 日本政府の弾圧により何度も危機にさらされてきた朝鮮学校だが、体系的な民族教育を維持できたのは、総連や共和国の援助によるところが大きい。


報告③

◆在日朝鮮人アイデンティティとは
 在日朝鮮人と一言にいってもその背景はさまざま。
 ただ一方で「国籍」「民族」など自らの帰属が一体どこにあるのか悩むという経験は
 多くの「在日」に共通しているのではないでしょうか。

◆朝鮮学校に通う子どもたちの韓国(南朝鮮)へのイメージ、考え
 朝鮮学校では韓国(南朝鮮)の現代史も学びます。そのため済州4・3抗争や単独選挙、軍事独裁政権など、解放後の分断の痛みをまず思い浮かべる生徒が多いよう。

◆朝鮮学校の教育の特徴
 クラス対抗で平均点を競ったりするので、2人一組で生徒間で勉強を教えたりする。
 クラブ活動も盛んで、朝鮮学校だけの大会などもある。

◆朝鮮学校のような事例は歴史的、世界的に他にあるのか?
 日本にも世界にも外国人学校は多数あります。
 しかし、植民地支配を受けた民族が旧宗主国において何の補償もなく自らの力で
 体系的な民族教育の場を作り上げ、守り続けているのは、朝鮮学校が唯一と
 いってよいのかもしれません。



以上、学習会の報告でした*^-^*
★次回、ウスムの行事は10/7 18時半から今年の夏に朝鮮民主主義人民共和国を訪れた日本人学生とおととし、昨年と訪朝した在日朝鮮人のウスムメンバーが双方の視点から見た「朝鮮」についての報告会です。
場所は名古屋大学の予定です。
みなさま、ふるってご参加ください。そしてぜひ周りの方にも声をかけていただければと思います!

 

8月USM学習会ご報告その1

もう9月も後半に入ったのに、8月行事の報告となってしまいました。
久しぶりすぎるブログ更新です(⁻-⁻‘‘)


8月26日にウスムでは朝鮮学校についての学習会を行いました。
規模としてはおとなしめな会となりましたが
報告者も参加者も10代、20代の学生・若者たちということで
率直に語り合い、お互いに高め合える場となったのではと思っています。


今回は書籍『朝鮮学校物語-あなたのとなりの「もうひとつの学校」』を利用させていただき、
その中の第Ⅰ部 知ってみよう朝鮮学校Q&Aを元に3人のウスムのメンバーが報告をしました。

内容の要点を以下に記します。

報告①
◆朝鮮学校とは
 日本の植民地支配から解放された在日朝鮮人たちが、奪われた言葉を取り戻すために
 設立した「国語講習所」がルーツ。
 現在は幼稚班(幼稚園)から大学校(大学)まで設立され、北海道から九州まで64か所にある。

◆差別と弾圧の歴史
 反共政策を進める日本政府とGHQにより1948年、朝鮮学校は事実上に閉鎖に追い込まれる。
 全国の在日朝鮮人たちは反対運動を行った。
 中でも「4・24阪神教育闘争」は今でも象徴的に語られている。

◆朝鮮学校の困難・障害
 第二次世界大戦戦後の学校閉鎖令などの弾圧だけでなく、現代にいたるまでに
 朝鮮学校にはいくつもの困難があり、そのつど自らの力と心ある日本市民の支援によって
 権利を勝ち取ってきた。
 しかし、今また「高校無償化」制度からの除外を受け、全国で裁判闘争が行われている。

◆今後の取り組み
 朝鮮学校や在日朝鮮人のことを知らない人も多くいる中で、「無関心」な人々にいかに関心を  持ってもらえるかが課題。人と人との関わりを大事に草の根的な活動に取り組んでいく。


少し長くなってしまうので残り2つの報告についてはその2を見てください!